
疲労回復には睡眠が超重要です。しかし睡眠の質までこだわっている人は、案外多くないかもしれません。睡眠は「長く寝れば良い」というような単純なものではありません。
別記事では、風呂の入り方として、入浴時間などの解説をしています。
私は疲労回復に超重要な睡眠の質を、極限まで高めるようにしています。平日は毎日4時間半の睡眠ですが、効率よく疲労回復して日々の社畜業を耐えぬいています。決してショートスリーパーではありませんが、睡眠の質を高めることで効率的な疲労回復効果を得ることができています。
睡眠で疲労回復するメカニズムを知る
なぜ睡眠で疲労回復するのでしょうか。そのメカニズムから解き明かしていきましょう。
睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つの周期があります。この2つの周期はよく語られているのでよくご存知だと思います。この「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」では、それぞれが疲労回復に対して異なった効果があります。
レム睡眠のときは疲労回復する
レム睡眠のときは、眠っていながらも眼球がぐるぐる動いています。動脳の一部が活発に動いている状態です。 睡眠に入ってから30分はこのレム睡眠が続きます。
レム睡眠時は、その日に体験したことを記憶として定着させる時間でもあります。脳内では、その日に起きた記憶を整理するデータ整理が行われています。目で得た情報を追憶しているので、眼球がぐるぐると動くと言われています。
夢を見るのはこのレム睡眠の時だと言われています。 レム睡眠時には、脳が記憶の定着を行う間、体中の筋肉が弛緩し、休められます。 疲労回復という観点から見ると、レム睡眠時には体の疲れを癒して疲労回復しています。
ノンレム睡眠
ノンレム睡眠とは、深い眠りのことです。脳は一部の機能(呼吸や脈拍を司る機能)を除き、スイッチがオフになっています。ノンレム睡眠は脳の疲労回復を行う睡眠と言えます。
実はノンレム睡眠時にも、身体の疲労回復を促す大事な役割もあります。 それは「成長ホルモン」を分泌することです。 成長ホルモンはその名の通り体を成長させるホルモンです。成長期の青年にとってとても大事なホルモンですが、実は成長の終わった大人にとっても大事な物質です。 成長ホルモンには体組織の修復と再生を行う働きがあります。
成長ホルモンを分泌するにはいくつかの方法がありますが、運動すると成長ホルモンが分泌されて、効率よく疲労回復することができます。アクティブレストとも呼ばれています。身体が疲れたな〜と思ったら、思い切って運動すると成長ホルモンが分泌されて、疲労回復につながっていきます。
質のいい睡眠で疲労回復
質のいい睡眠とはどのような睡眠をさすのでしょうか。 それは「ノンレム睡眠がしっかりと取れている睡眠」です。
なぜノンレム睡眠が重要かというと、身体を休めて疲労回復するには、寝ずに横たわっているだけでもある程度得られます。しかし、脳を休めるという効果は、このノンレム睡眠でしか得ることができません。 しっかりとノンレム睡眠の効果を得て脳を休め、疲労回復していく。これが、睡眠で一番重要なポイントです。
では、質の良い睡眠をとるために必要なこととは何でしょうか。
睡眠の3時間前に物を食べない
まず、睡眠時には胃の中に食べものが残っていない状態にすることが重要です。なぜなら、胃の中に食べものが残っている状態ですと、体は消化活動を続けるため、十分に疲労回復効果が得られないからです。消化活動時には胃に血液が集中して集まるので、本来全身に巡って老廃物を排出する血液の役割が十分に果たされなくなってしまうのです。
また、寝付きも悪くなります。ベッドに入る時間から逆算して3時間前には食事を終えるようにしましょう。
私も会社から深夜に帰ってきたときは、何も迷わずご飯をバクバク食べていました。しかし、寝る3時間前にご飯が食べられない場合は、とにかく疲労回復を優先したかったので、ご飯を抜くようにしました。
おかげで4時間半睡眠でも何とかやって行けています。
ストレッチをする
寝る前のストレッチも効果的です。ストレッチを行うことで体をリラックスさせ、睡眠による疲労回復効果を高めます。
布団のなかでもできるストレッチをご紹介します。
1.足首を手前に倒します
2.次に、足先に向かって倒します この運動を行うことで、血流がよくなり、体全体がリラックスします。 是非、今日から試してみてください。
部屋を真っ暗にする
質の良い睡眠を得る為には、部屋の中を真っ暗にしましょう。 人間のまぶたには光を感知するセンサーがあり、暗くなると脳が休息に向かい、逆に明るさを感じると覚醒へと向かいます。
眠る時は寝室を真っ暗にして眠ることで、脳を効率的に休めて疲労回復することができます。光が残ったまま眠ると、光に脳が反応してしまい、十分な休息時間と疲労回復効果が得られません。
朝目が覚めたら朝日を全身に浴びることで、体内時計がリセットされて、その日の夜も自然に眠くなるという効果があります。 どうしても寝室内を真っ暗にすることが難しい場合は、アイマスクを着用しましょう。 アイマスクを着用することで目に光が入るのを防ぎます。リラックスして休息効果を高めることができます。
深い眠りにつくための呼吸法
深い眠りにつくために最適な呼吸法があります。深い眠りにつくためにはリラックスすることが重要なのですが、日中のストレスなどで十分にリラックスできないこともあるかと思います。そういった場合には、先にご紹介したストレッチと共に下記の呼吸法もお試しください。
1.鼻から大きく、ゆっくり息を呼吸
2.口から息をはく。出来うる限り、ゆっくりと、細い息を心がける。
この呼吸法は体全体をリラックスさせる為に大変有効な呼吸法です。 人間はついつい浅い呼吸をしてしまいがちなのですが、睡眠時以外にもこの呼吸を行うことで疲労回復効果やリラックス効果が得られます。
睡眠前にスマホ・パソコン・テレビを見ない
深い睡眠を得るためには、リラックスすることが重要です。眠る前にスマホをいじったり、パソコンを見ていたり、テレビを見ていたりすると脳が刺激され、興奮状態になってしまいます。眠る前、少なくとも1時間前にはこのような電子機器を見ることはやめ、本を読むなど、刺激の少ない活動に切り替えましょう。
本も、続きが気になる推理小説などは興奮してしまうので、避けた方が良いと言えるでしょう。
入浴のタイミングは眠る1時間前が最適
人間が眠気を感じるのは、体温が下がってきてからと言われています。眠る直前にお風呂に入ってしまうと体温が下がらず、眠りにつきづらくなってしまいます。眠る1時間前に入浴することで、ちょうど体温が下がってきた時に睡眠に入ることができ、また体もリラックスしている状態なので、最高の疲労回復効果が得られます。
眠る前にホットミルクを飲む
眠る前にホットミルクを飲むとリラックスできるというウワサが回ってきました。寝付きがよくなるという話をご存知の方は多いかもしれませんが、これは実際に効果があります。
乳製品には「トリプトファン」という栄養素が豊富に含まれています。そしてこのトリプトファンは体内で変化し、「メラトニン」という睡眠を誘発する物質に変わります。 つまり、ホットミルクを飲むことで体内にメラトニンを発生しやすくする事で睡眠に入りやすくするのです。
まとめ
疲労回復にかかせない睡眠。睡眠についてしっかりと学んでおくことで効率的な疲労回復を行うことができます。
ただ睡眠時間を長く取ればそれだけで良いというわけではありません。 質の良い睡眠をとる為にはいくつか気をつけるべきポイントがあります。 その方法は、いずれも難しいものではありません。
忘れずに行えるように日々の生活に習慣づけることが大切です。 ポイントを抑えて良質な睡眠をとり、しっかりと疲労回復を。